画像の出所:https://www.space.com/moon-enceladus-harbors-key-ingredient-for-life
米国のNASAは、土星の衛星であるエンケラドゥスに生命の鍵となる成分が存在している可能性があると発表しました。エンケラドゥスの地下に存在する海底火山から噴出するプルーム(噴煙)に、水蒸気、水素、及び有機化合物が含まれていることが、最新の観測結果から明らかになりました。
NASAのジェット推進研究所(JPL)の科学者たちは、エンケラドゥスのプルームに関するCassini探査機からのデータを分析しました。これまでの研究からも、エンケラドゥスのプルームに冷たい水がプルームの内部で暖められて蒸発し、プルームのいくつかは氷の作った結晶から成る噴煙を持っていることが判明していました。しかし、新たな分析により、プルームがさらに多くの成分を含んでいる可能生があることが分かりました。
JPLの科学者、ルシアン・ネサンソンは、「水蒸気、水素、及び有機化合物などの成分は、地球上の生命が繁栄するための鍵となるものです。このような成分の存在は、エンケラドゥスに生命の存在があり得るという可能性を示唆しています」と述べました。また、ネサンソン博士は「プルームの成分がどの程度広がっているか、いかに持続性を持っているかなど、さらなる研究が必要です。しかし、エンケラドゥスは新たな生命を捜す上で非常に興味深い目的地であることは間違いありません」と付け加えました。
これまでの研究により、エンケラドゥスのプルームから噴出する成分は、水中で微生物が栄養源として利用する可能性があることが示されています。これにより、エンケラドゥスには地中で生命の存在が可能であることが示唆されています。
NASAは、エンケラドゥスに生命の存在が確認されるかどうかを明らかにするため、将来のミッションの実施を計画しています。また、探査機の着陸やサンプル採取などの進展により、エンケラドゥスの秘密が解き明かされることに期待が高まっています。
エンケラドゥスは、これまでに火星、木星の衛星エウロパ、土星の衛星タイタンなどで生命の存在が疑われていましたが、今回の研究結果は生命の存在の可能性を一層高めました。今後の研究が生命の起源や宇宙探査における未来の発見に一層期待が高まります。