日本とアメリカが次世代ミサイル防衛システムの開発を2030年代までに完了予定
画像の出所:https://thediplomat.com/2024/11/japan-awards-mhi-368-million-contract-for-development-of-the-glide-phase-interceptor/ 日本の防衛省は、2023年11月1日に、三菱重工業との間で、56億円(約3億6800万ドル)の契約を締結したと発表しました。 この契約は、ハイパーソニックミサイルを撃墜するために特化された次世代ミサイル防衛システムであるグライドフェーズインターセプター(GPI)の開発に関するものです。 日本とアメリカは、GPIの開発を2030年代までに完了させる計画です。 このプロジェクトは、2023年8月に岸田文雄前首相とバイデンアメリカ大統領がワシントン郊外のキャンプデビッドで開催したサミットで初めて発表されました。 2024年9月には、アメリカのミサイル防衛局(MDA)と日本の防衛省が、レイセオンを抑え、ノースロップ・グラマンをプロジェクトの主契約者として選定しました。 両国でのGPI開発の主要企業が決定した形です。 ノースロップのGPIコンセプトには、3つの特徴があります:1)三段式ロケットモーターによる加速、2)弾頭部分にあるキルビークルによる目標の破壊、3)アイージス駆逐艦の垂直発射システム(VLS)からの発射です。 東京の防衛官僚は「三段式のGPIでは、最初の段階が初期加速を行い、2段階が敵に向かって飛行します。 次に分離され、3段階が最終的な方向に向かいます」と明らかにしました。 注目すべきは、両国の開発役割の分担です。 各国は、SM-3ブロック2Aの経験に基づいて、自国の専門分野を担当します。 日本が担当するGPIの開発部分について、日本の防衛関係者は、主に第二段階のロケットモーターと第二段階の操縦システム、およびキルビークルと呼ばれるミサイルの前部用の操縦装置、ロケットモーター、シーカービッグファインダーを担当すると述べました。 一方、アメリカは、第一段階のブースター、第三段階のロケットモーター、キルビークルの外殻、誘導制御装置、シーカーバイザーを担当し、全体システムの統合も行います。 第一段階のブースターには、SM-3ブロック2Aなどの迎撃ミサイルで使用されている既存のアメリカ製Mk 72が採用されます。 SM-3ブロック2Aの場合、そのキルビークルは大気圏外で目標に衝突します。 それに対して、GPIは翼の形をした操縦装置を備えています。 なぜなら、目標であるハイパーソニック滑空体(HGV)は速く、弾道ミサイルより低い滑空高度で飛行するためです。 GPIは、大気中を制御しながら滑空する能力が必要です。 ハイパーソニック兵器は、北朝鮮、中国、ロシアが開発・配備しており、音速の5倍以上(マッハ5)で、低高度で不規則な軌道を飛行します。 これにより、従来の弾道ミサイルよりも検出と迎撃が困難となります。 日本政府は、GPIが日本の統合的な空とミサイル防衛能力を向上させ、より厳しい地域の安全保障環境の中で日米同盟の抑止力と対応能力を強化することを目的としていると述べています。 北朝鮮による弾道ミサイルの頻発な発射、ロシアと中国の軍事協力の強化、さらにはロシアと北朝鮮との協力の進展により、日本の関係者は、現在の安全保障環境を「第二次世界大戦以来最も厳しい」と表現しています。 GPIは、日本において将来的に大きな脅威となるハイパーソニックミサイルへの対処が可能であり、日本の防衛にとっての新しい盾技術として重要な役割を果たすといえます。 GPIは、海上自衛隊のアイージス駆逐艦及びアイージスシステム装備艦(ASEV)に搭載される予定です。 海自は、2027年度に初のASEVを受け取り、翌年度に2隻目を受領する見込みです。